カナリーヤシ Phoenix canariensis (ヤシ科 ナツメヤシ属
 カナリーヤシの葉は4.5〜6mもある大きな羽状複葉であり、100〜200対の小葉がある。羽軸は強靭で、強い風にも耐えることができる。小葉の断面はV字型になっており、細長い小葉はV字構造によって、しっかりと水平に広がることができる。小葉の根元は絞られて、強い風が吹くと羽軸に沿って曲がるようになっている。付着点の下部は切断したようになっていることで、簡単に曲がることができる仕組みである。この切れ込みは、V字型構造の小葉にたまった水の排水口にもなっている。中心部の直立あるいは斜上する若い葉に降り注いだ水は、V字型の葉によって集められ、排水口から羽軸へと流れ、株の中心部へと流れていくに違いない。集まった水は、腐った古い葉の繊維に蓄えられ、数日は少しずつ滴っている。カナリーヤシ自身もこの水を利用しているのであろう。
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