エゾスナゴケ Racomitrium japonicum (ギボウシゴケ科 シモフリゴケ属)
 近年、コケ庭だけではなく、屋上の緑化などに関連し、コケ群落の育成技術確立が必要となってきた。愛知万博では、エゾスナゴケによる壁面緑化が行われているとのこと。スナゴケそのものは、砂地でなくても水が流れ去る環境があれば、十分生育するのであろうが、常時湿っていると他の種類のコケが生育し始め、スナゴケにとっては長期間安定的には生育できないのであろう。スナゴケの群落は、乾燥すると美しい緑が失われ、白っぽくなってしまうので、景観的にはマイナスポイントである。しかしながら、岡山沿岸域のような乾燥する気候のもとでは、コケ庭を造ることができる数少ないコケ植物のひとつであろう。時々、芝生のように砂の目土を薄くいれてやれば、群落を持続できるのではないかと思う。

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