ハマキゴケ Hyophila purpagulifera (センボンゴケ科 ハマキゴケ属
 ハマキゴケは本州から琉球、中国に分布する蘚類。石垣、コンクリート壁などに生育する。空梅雨のさなか、コンクリート壁の天端に赤茶けたコケの群落があった。未舗装の道から、降雨時には砂が流れる場所である。晴天時には水分のひとかけらもないであろうと思われる場所であり、乾燥に強い耐性を持つコケであると思われた。ペットボトルのお茶を垂らしてみると、見る見るうちに緑色となり、葉がムクムクと立ち上がってくる。乾燥時の耐久姿勢と、水分を含んでいる状態の間に大きな姿の違いがある。
 乾燥に対して葉を巻き込んで耐える姿も面白いが、色の変化には興味がもたれる。細胞に水分が吸収されることによって、葉緑体に光が当たるようになるシステムと思われる。赤い波長の長い光は吸収されると熱に変化しやすいわけで、乾燥時には赤系の光を反射させ、吸収しにくくしているのではないかと思うがどうであろうか。

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