ヨーロッパトウヒ(ドイツトウヒ) Picea abies (マツ科 トウヒ属
 ヨーロッパトウヒはヨーロッパからシベリアにかけて広く分布する常緑針葉樹。有用樹であるので広く植栽されており、多くの品種があるとのこと。日本にも導入されており、クリスマツツリーとして利用されているのを見ることも多い。英名はNorway Spruceであり、直訳するとノールウエートウヒとなる。日本に導入された時点では、ドイツトウヒと呼ばれ、今でもこの名前は広く使われている。ドイツの「黒い森」(シュヴァルツヴァルト)の主要樹種としても有名。
 樹高は50m、直径2mにも達する。葉は長さ2cmで断面はひし形、当年生枝は無毛で褐色。葉は長寿命で簡単には落ちない。下枝もなかなか枯れないので、雪崩の防止能力は高く、防風林としても利用される。弱い光でも光合成する能力があると見える。葉量が多いので、この樹木の森林は暗い。雌雄同株 円柱形の球果が下向きに付き、大きいものは長さ15cmになる。枝先には緑色の若い球果と開いた球果が付いているので、あしかけ2年かかって熟し、種子を散布するのであろう。
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