ヨーロッパトウヒ(ドイツトウヒ) Picea abies (マツ科 トウヒ属
 ヨーロッパトウヒ葉は長さ2cmで断面はひし形、白い気孔列が見える。葉の寿命は長く、かなりの年限、枝に付いているようで、枝が細ければかなり元の方まで葉が生き残っている。年限よりは枝の太さに関係しているのかもしれない。葉の寿命が長い点は、夏の生長期間の短さに対する適応と考えられる。気温が上昇した直後から十分な光合成ができるからである。一方、この葉量の多さのため、光が当たりにくい葉もあるはずなのだが、そのような状態でもある程度光合成が可能な、陰葉としての性格をそなえているのであろう。
 若木では枝は勢いよく伸びて美しく、日本ではクリスマスツリーに使われる。萌芽性もあり、幹を伐採すると数本の主幹が再生してくるので花木的な栽培を行っている場所もある。木が大きくなると細い枝は垂れ下がり、だらしない感じになる。側方から当たる太陽光に対応したものか、あるいは積雪に対する適応なのであろうか。
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