トドマツ  Abies sachalinensis (Fr. Schm.) Masters    (マツ科 モミ属
 トドマツは、北海道の山地や平地において、エゾマツやミズナラ、カエデ類、カバノキ科の樹木、トネリコの類などと樹林を構成する。また、北海道の自然性の高い湿地の周辺にはアカエゾマツが多いのだが、トドマツも少なからず混じって生えるのを見ることがある。過湿な条件にも多少は適応できるようである。
 トドマツ林は純林に近いものや、造林された林分もあるが、自然林としては他の樹種を多々交えることも多い。下の画像は、湖岸に発達したトドマツを多く含む樹林である。トドマツの壮齢の個体が多数林立しているものの、他にも多くの樹種が混じっている。微地形に応じて多様な樹種が生育しており、なかなか良好な森林である。
 トドマツは漢字で椴松と書くが、語源はよくわからないらしい。また、トドマツはマツと名がついているが、マツ属ではなくモミ属であり、オオシラビソやモミの仲間である。
文章・画像:太田 謙
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top生物地球システム学科