大山のキャラボク Taxus cuspidata var. nana (イチイ科 イチイ属
 大山のキャラボクは、山頂平坦面では密な群落を形成するが、北から西にかけての斜面にも点々と生育が見られる。立地的には、傾斜が急であるために完全な優占群落は形成できないようである。キャラボクの幹は20cm前後あるものもあって、地面を這って斜面下部に向かって伸びている。他の裸子植物と同様に、おそらく裸地にしか侵入・定着できないものと思う。斜面崩壊により生育地は失われるのであろうが、また新たな生育地として安定するには、相当な年月が必要なのであろう。氷河期を乗り越えての気の遠くなるような年月の結果である。
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