スギ Cryptomeria japonica (Linn. fil.) D. Don (スギ科 スギ属
 真冬の紅葉したスギ真冬の紅葉したスギ
 スギは常緑樹であるが、赤褐色に紅葉する。冬になってくると葉緑素の量が減少するのであろう。春になって、気温が上昇すると緑に回復する。
庭園に植栽された台杉庭園に植栽された台杉
 スギの育て方の1つに台杉というのがある。下枝を残して途中の枝を払い、細い幹を仕立てる。この幹を伐採して収穫すると、残しておいた枝が再び立ち上がって数本の幹となり、これが育つと収穫することを繰り返す。その結果、高さ1mほどのところに台状の切り株ができるので、台杉という。細い磨き丸太などに使う材を育てる方式の一つである。最近は林業で行われることは少なく、独特の樹形と風情をいかして庭園に使用されているのを見かける程度である。
スギの生垣
 スギは剪定に耐えるので、生垣にも使うことができる。刈り込んだスギの葉は触ると痛いので、防犯にも貢献することになる。
スギの風倒木スギの風倒木
 これらの画像は、神社の境内に植栽されていたスギが台風によって倒れたものである。直根がなく、地表付近に根を発達させているので、倒伏しやすいことがわかる。特にブロック塀や敷石などが近くにあると根の発達が阻害され、風向きによっては簡単に倒れてしまう。神社などにおけるスギ・ヒノキなどの植栽は、風倒被害を想定して行う必要がある。
 植林においても同様な配慮が必要であり、風当たりの強い場所においてはスギやヒノキなどの植林を行わず、直根が発達するコナラなどの広葉樹を残しておくことが適切である。

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