ヒロヘリアオイラガ Parasa lepida (Cramer) (鱗翅目  イラガ科)
 庭木の手入れをやっていると、こいつに良くやられてしまう。軽く手が触れただけで、猛烈な痛みが走る。イラガの仲間であるとは思っていたが、ヒロヘリアオイラガという帰化昆虫であるという。1980年頃から西日本を中心に、街路樹や庭園木に見られることが多い。アオイラガに似ているが、橙色の棘があることで区別される。
 我が家ではシラカシの生け垣、イロハモミジ、オオモミジ等につく。このほか、サクラ類、カキノキなどの葉も食べるらしい。油断しているとサザンカの葉にいる事もあり、刺されてしまう。一応、古い葉を食べるらしく、出たばかりの葉は食べない。一応、仁義はわきまえている。いろんな種類の植物を食べる、ジェネラリストである。
 ヒロヘリアオイラガは年数回発生するようであるが、晩夏から秋にかけて目立つ。葉の裏に平べったい膜(?)に覆われた卵をまとめて産む。ふ化すると当分卵殻の上に集団を形成しているが、やがて葉を食べ始める。最初の段階では、葉の裏面から葉肉だけを食べているが、やがて葉全体を食べるようになる。この時期までは葉をかみ切る力が弱いので、単独で行動することはなく、集団を形成して噛み跡を共有する形で葉を食べる。大きくなるとかみ切る力が強くなり、単独行動を始めるようになる。この頃になると幼虫がたくさんいる木の下にいると、バラバラと糞が落ちてくる。
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