ウラジロ Gleichenia japonica Spr.  (ウラジロ科 ウラジロ属
 ウラジロの葉柄は長さ1mにもなることがある。羽片は2つに分かれ、1つの羽片は大きなものでは1m近くにもなる。2つの羽片の間から、毎年新たな葉柄をのばし、新しい葉を形成する。新芽はゼンマイのようであるが、とても堅い。毎年新しい葉を付けながら伸びるので、葉全体としては数m以上の長さになり、地下茎のある出発点から数m以上も斜面を垂れ下がっていることになる。群落の中は古い枯れ葉が厚く堆積しており、その中には長い丈夫な葉柄がたくさんあって、身の丈以上の厚さになっていることもある。いったん、密な群落の中に落ち込んでしまうと登ることはほとんど不可能である。これほどの群落が形成されてしまうと、群落中への新たな植物の侵入はほとんど不可能となる。植生遷移には、長い年月が必要であろう。厚い枯れ葉に火がつくと、簡単には消火することができない。山林火災の発生はもちろん、広い面積への延焼原因の一つである。
裏面の拡大:胞子嚢は中肋と縁の中間にできるウラジロの新芽
新葉を展開し始めたウラジロウラジロ群落の断面:下層には枯れ葉が厚く堆積している

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