ヒトツバ Pyrrosia lingua (ウラボシ科 ヒトツバ属
 石灯籠の上にヒトツバが密生しているのを見つけた。灯籠の上にはアラカシが生育しており、毎年大量の落葉を灯籠の上に落とし、これがよい栄養分になっているに違いない。石の上ではありながら、乾燥という条件に耐えることができれば、結構豊かな場所なのであろう。ヒトツバの生育地は、乾燥しやすい場所である。急傾斜の崖地、しかも崖の下部ではなく、最上部に多い。山の中で、ヒトツバの群落が幅50cmほど、長さ10m以上まっすぐ伸びているのを見つけた。何だろう?とヒトツバの群落をめくってみると、マツ枯れで倒れたアカマツの幹にヒトツバが繁茂していた。マツの樹皮には保水力はほとんど無かろう。強度に乾燥する場所では、競合する植物が生育できない。高い耐乾燥能力にを獲得することによって、競争相手の少ない環境で生きている。おそらく、成長速度はかなり遅いのではないかと思うがどうであろうか。
石灯籠の上に群生するヒトツバ急傾斜の岩場に生育するヒトツバ
ヒトツバの群落アカマツ倒木上の地下茎

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