天石門別神社(あめのいわとわけ)の植生
場所:岡山県英田郡英田町滝宮89  海抜:200m前後 地質:流紋岩

 滝宮ダムの上流に天石門別神社があり、その周囲には面積は狭いもののモミの生育が目立つ社叢林がある。ダムの建設によって神社の敷地はかさ上げされ、森林にも人手が入っているが、モミ・ツガ・ヒノキ・ツクバネガシなどが生育する森林が保存されている。伐採されたモミの年輪からは、140年前後の歴史を持つ森林と思われる。
 モミの樹高は抜きんでて高く、斜面下部から尾根にかけて点在している。尾根にはヒノキが生育しており、アカマツの枯損木がみられることから、最近までアカマツとヒノキが混生する森林であったとおもわれる。ツガも生育しているが、あまり数は多くない。コナラなどの落葉樹も生育するが、アラカシやツクバネガシなどの常緑広葉樹が亜高木層などで優占しつつある。
 海抜はわずか200mほどであるので、基本的には常緑広葉樹林が発達する地域であるが、モミ・ツガ・ヒノキなどの針葉樹が目立ち、内陸の特性としての中間針葉樹林帯の様相を示している。
境内の奥にある琴弾の瀧:落差はないが、趣がある
森林の様子:中央にモミが2本(04/03)
林内の様子
斜面上部にはヒノキとアカマツ

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