荒戸山の地質
 荒戸山は玄武岩から出来ており、山頂付近では所々に玄武岩の露頭があり、見事な柱状節理が見られる。場所によっては、きれいに石垣を積んだような露頭となっており、柱状節理が明瞭にわかる場所もある。節理は20cm前後ほどの大きさで、6角や8角に揃っているわけではない。玄武岩の柱状節理は玄武岩質の溶岩が地中で冷えて固まり、その際に体積が減少するので、節理が形成される。このような玄武岩の独立峰は火山のマグマが上昇する火道の部分が浸食によって露出した(残った)ものである。

 節理の発達した玄武岩は、岩体全体としては風化されやすく、崩れやすいものと思われる。しかしながら吉備高原にすっくと立っている様子を見ると、山体全体としては浸食されにくいと判断せざるを得ない。岩石としては比較的短期間に固まったものなので、結晶は小さく、風化して供給される土壌の母材も粒が小さい。荒戸山の地表面を覆っている土壌は黒色であり、粘土などの微粒成分を多量に含んでいるようである。このために土壌が流れにくく、急峻な独立峰を形成しているものであろう。
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