○ 水 質
 
 毎月の定期観察時にはpH,EC,塩分濃度,水温の測定を行っています。各保全池ごとに、これらの水質の測定値の比較を行いました。
 その結果、いずれの値もイトクズモの生育に適するものであり、pH,水温にはおいては、各池ごとに特に大きな差はみられませんでした。しかし、EC、塩分濃度では、側水路が非常に高い値を示し、ひょうたん池と三日月池がそれより低い値であることが解りました。
 
図  保全池の電気伝導率
 
図  保全池の塩分濃度
 
 それぞれの保全池には、イトクズモの生育に必要な塩分を含む地下水が供給されるような仕組みを工夫し、設置しています。まず、ひょうたん池と三日月池には、より地下の深い場所ほど濃い塩分を含む地下水が存在することから、池の中央付近に深さ2m弱の井戸を掘り、そこから塩水を確保する構造としています。また、側水路には池の東側に暗渠を埋設し、先述の井戸よりも浅い場所ですが、より広い範囲から塩分を含む地下水が供給される仕組みとしています。
 上図を見る限りでは、三日月池において多少値が低いものの、何れの保全池もイトクズモの生育に十分な塩分濃度(0.1%以上)が確保されており、特に側水路の値が高かったことから、これの暗渠が、塩分確保に効果的に機能していると判断されます。

・ 水 質 (電気伝導率,塩分濃度,pH,水温)
・ 水 深
・ 底 質 (科学的酸素要求量,硫化物量,熱灼減量)
・ 雑草の侵入

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