○ 底 質

 

 保全池の底泥を採取し、科学的酸素要求量,硫化物量,熱灼減量を測定しました。測定結果を下表に示します。

 

表  底質の分析結果

項 目
ひょうたん池福成川測水路三日月池
化学的酸素要求量(mg/g)28297.4
硫化物量(mg/g)0.451.100.08
熱灼減量(重量%)5.65.62.5

資料採取日:2001年10月23日

 

 各保全池で採取された底泥は、ヘドロ状になった硫化水素臭のあるもので、富栄養で嫌気的な状態となっていることが確認されました。測定結果からは、ひょうたん池と側水路の底泥が、三日月池に比べて、有機物量が非常に多いことが解りました。有機物量が多いと、当然のことながら富栄養であり、より底泥が嫌気状態になりやすいと考えられます。現在までの観察から、底泥中に埋没するイトクズモの種子は、嫌気状態において発芽の促進されることが明らかとなっています。底泥が富栄養で、より嫌気的な状態になりやすいことが、ひょうたん池と側水路において、三日月池よりも多くのイトクズモの生育が確認された理由のひとつと考えることが出来ます。
 三日月池の底泥は、保全池造成時に当時の自生地であった水路の泥を、そのまま移植したものです。これは、ひょうたん池も同様です。また、三日月池とひょうたん池は塩分供給の仕組みも同じであり、多少三日月池の面積が狭い以外は、構造的に大きな差はありません。この底泥の化学性の違いが何に起因するものなのか、今後の観察が必要と考えます。



・ 水 質 (電気伝導率,塩分濃度,pH,水温)
・ 水 深
・ 底 質 (科学的酸素要求量,硫化物量,熱灼減量)
・ 雑草の侵入



もどる