ヤマウルシ Rhus trichocarpa Miq. ウルシ科 ウルシ属
 ヤマウルシは日本全国に分布する落葉の小高木。南千島、朝鮮、中国にも分布し、よく似たヤマハゼに比べ、北方系である。伐採跡などの二次林に生育する。おそらく種子の寿命が長く、地中に埋もれて伐採などの攪乱を待っているのであろう。樹形はあまり枝分かれせず、幹や枝の先端にまとまって葉を広げる。このような樹形は伐採跡などで、いち早くある程度の樹高を確保し、光を獲得する戦略であると思われる。
 ヤマウルシの和名は、山に生育する漆の取れる木であるとの意味で、樹液から漆液を取ることが出来るが、取れる量は多くはないとのことである。樹皮を傷付けると最初は白色の乳液が出るが、やがてこの樹液は黒紫色に変色する。
 ヤマウルシは樹液に触れるとかぶれる。春の新芽が出る頃はかぶれ易いが、秋の紅葉の頃はあまりかぶれない。小生はあまりかぶれないが、切り口から出る樹液が直接肌に付くとかぶれてしまう。今まで、まともにかぶれてしまったことが二度ほどある。一回目は自然保護センターの建設工事の時で、観察道を視察する際に、先頭を歩いていた人がご親切にヤマウルシを剪定バサミで切ってくれていた。ちょうどその切り口は腰のあたりであり、調べながら歩いていくと手に樹液がたっぷりついてしまった。親切があだになったわけである。切ってくれるのならば、根元からお願いしたかった。
 もう一度は、樹木の根を調べていた時であった。掘り進んでいくうち、何の根だろう? とひねくりまわしていた根がヤマウルシであった。見事に手のひらがかぶれてしまった。おかげさまで、ヤマウルシの根は明確に同定できるようになった次第である。紫に変色する根には要注意である。

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