ナナミノキ Ilex chinensis Sims. (モチノキ科 モチノキ属) |
ナナミノキの生長は比較的早く、周辺の樹木から抜きん出ていることが多い。秋には葉をかなり落とし、葉と葉の間が透けて見えるようになる。このような現象は、クロガネモチなどでも見られる。樹冠を斜め上から見ると、結構間があいており、暗い場所で葉を維持するのは苦手のようである。下枝も早くから枯れあがってしまう。おそらく陽樹としての性格が強いのであろう。岡山の県南では大きく生長したものがたくさん見られ、当面はナナミノキが優勢であると思われるが、森林の中にはほとんどナナミノキの幼木は見られないので、将来的には衰退する可能性が高い。ナナミノキの美しい果実が見られるのも、松枯れ後の一時なのかもしれない。 |