ナナミノキ Ilex chinensis Sims. (モチノキ科 モチノキ属
 ナナミノキは静岡県以西の本州・四国・九州、中国に分布する雌雄異株の常緑高木。岡山県では、海抜400m以下の温暖な地域の森林に生育する(分布はここをクリック)。特に沿岸部では、松枯れ後の二次林で大きく生長して優勢となっている地域がある。沿岸部では乾燥のために常緑のシイ・カシ類が欠落あるいは生育が少ない地域が広いが、このような地域で高木となっていることが多い。幹は直通で、樹肌はなめらか、葉は皮革質で目立った特徴がない。学生さんにはおぼえにくい樹木である。この樹もモチノキ科の例にもれず、ソヨゴと同様に、明瞭な死環がみられる。6月頃に淡紫色の小さな花をさかせる。モチノキ科の花は淡緑色や白色が多いので、このこともこの木を同定するのに役だつ。秋には赤色の果実を付けます。成り年が明確で、ほとんど果実を付けない年もあります。モチノキ属の果実は、球形のものが多いが、このナナミノキだけは、やや細長く曲がっており、このことから“斜めの木”と命名されたという説があります。


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