ソヨゴ  Ilex pedunculosa Miq.  (モチノキ科 モチノキ属
 ソヨゴの葉は全縁で、長さ4〜8cm。卵状楕円形で先端は短く尖る。葉の縁は通常波打っており、本種の特徴の一つである。葉質は革質であり、質感は滑らかであるが葉と葉がこすれあるとカシャカシャと音を立てる。風が吹くとこすれる音がすることが、ソヨゴの名前の由来であるという(そよぐ)。
 ライターなどであぶると他のモチノキ属植物と同様に、明瞭な黒い環(死環)ができる。標本にすると全体が真っ黒になってしまう、厄介ものである。葉の表側から強く熱すると裏面の表皮が膨れ、パチンと音を立ててはじける。このため、岡山県の北部では「膨れる柴木」という意味で、「ふくらしば」あるいは略して「ふくらし」と呼ぶ。薪にするとパチパチと音をたてて派手である。このような現象は、葉肉内の水蒸気が沸騰して気化し、内部から表皮を膨らすためであるが、表皮が厚くて丈夫なために簡単には破れず、膨れてはじけるためにおこる。表皮の丈夫さは本種が乾燥した痩せ地にも生育できることと対応しているものと思われる。


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