キヅタ Hedera rhombea (Miq.) Bean  (ウコギ科 キヅタ属)
 キヅタは崖などに生育するほか、落葉樹にのぼっていることが多い。夏緑広葉樹は元々葉の量が少なく、明るい林になるので、常緑のキヅタとしては生育しやすい。特にコナラなどの夏緑広葉樹に登ったものは、秋から春の間、寄主が葉を付けていないので、十分な光を得ることができる。落葉樹への着生は温暖な地方ほど有利であることになり、沿岸の平野部に生育する落葉樹ではキヅタの着生を招きやすい。
 キヅタは巻き付き型のつる植物ではなく、気根を出して付着するタイプであり、付着されている樹木は締め付けられる事はなく、葉の付いている枝先まではあがってこないので、共存的なツル植物ではあろう。しかし、付着されていることによる重量は相当なものかも知れない。
 水分条件の良好な場所ではキヅタのようなツル植物が繁茂しやすいが、このような付着登坂型のツル植物が登ってくるのを防ぐには、樹皮を頻繁に剥がすしか方法がないかも知れない。ケヤキカゴノキが樹皮をモザイク状に剥がすのは、このためか?などと思うのですがいかがでしょうか?
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