オグラセンノウ Lychnis kiusiana Makino  (ナデシコ科 センノウ属
 オグラセンノウは国指定天然記念物鯉ヶ窪湿原のマスコット的存在であり、町の花でもある。しかし、その個体数は極僅かであり、レッドデータにも絶滅危惧種に指定されている。近年、鯉ヶ窪湿原においても減少しつつある状況が懸念されており、保護・保全に向けて研究と対策が実施されつつある。
 広い鯉ヶ窪湿原ではあるが、オグラセンノウの生育している場所は狭い。生育地を調べてみると、周辺の樹林がマツ枯れの後に夏緑広葉樹や常緑広葉樹へと変化し、樹高が高くなって日照量が減少しているのではないかと思われた。オグラセンノウはヒョロヒョロと伸びて頼りなく、花数が少ない状態であった。
 日照量の調査から、周辺の森林、特にコナラなどの夏緑広葉樹や湿原に隣接して生育するソヨゴなどの常緑広葉樹が大きく日照を制限していることが判明し、これらを伐採した。その結果、オグラセンノウの生育は次第に旺盛となり、伐採の次の年には開花数も増加し、存在がよくめだつようになった。新しい個体の定着も確認され始めている。


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