ホルトノキ Elaeocarpus sylvestris var. ellipticus (ホルトノキ科 ホルトノキ属) |
ホルトノキは千葉県以西の本州、四国、九州、沖縄に分布する常緑高木。暖かい沿岸域に生育する。樹高は10〜15m、葉は5〜12cmで、ヤマモモに似ている。古い葉は赤く紅葉し、年中一部の葉が紅葉しているのが見られる。7〜8月に総状の花序を形成し、白い小さな花を咲かせる。 岡山県には自然分布はない。おそらく冬季の低温が分布を制限しているものと思われる。近年、暖地の街路樹として植栽されるようになった。岡山県の瀬戸内海沿岸域は温暖であるとのイメージがあるが、意外と冬は冷え込む。大きな盆地状の地形であり、寒気が襲来したときには水道管が凍り付くほど冷え込むことがたまにある。そのような何十年かに一度の冷え込みが樹齢の長い樹木の分布には大きな制限要因となっている。島嶼部には植栽と思われるものがあり、周辺には自然生えがあるので、分布のチャンスがあれば海岸域では生育できる可能性はある。 |