フウ Liquidambar formosana Hance (マンサク科 フウ属
 フウの樹形は主幹がよく伸びて針葉樹のような樹形になる。街路樹では枝が剪定され、遠目にはスギのような樹形のものが多くなった。すっきりとした広葉樹らしくない樹形だなと思っていたが、フウの植林を行っている林分にであった。下段の画像は1978年に植栽されたものであり、植栽後26年目である。幹は直幹となって密度も高いために枝は少ない。将来、柱や板にすることができるような、立派なものに生長している。
 植林される樹木は、スギやヒノキなどの常緑針葉樹がほとんどであり、落葉広葉樹の植林は少ない。その理由の1つは、広葉樹は樹冠が広がる樹形であるために木と木の間を広くする必要がある。たとえば、ブナの林は木と木の間が広く、見通しの良い林である。針葉樹は上に伸びる樹形であるために個体の間隔を狭くすることができ、単位面積あたりの収穫量は大きいのが一般的である。フウの植林地は、樹幹密度も高く、落葉樹であるので明るい植林となっている。外来種ではあるが、周辺の森林に逸出している様子もない。こんな明るい植林ならば、暗いスギやヒノキの植林に比べて安らぎを感じることもできる。どのような性質の材木がとれるのかは定かではないが、バイオマスとして使用するのならば、特に問題はなかろう。植林を行う際の樹種1つとして考慮に値するのではないかと思う。


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