ヤマシャクヤク Paenia japonica (ボタン科 ボタン属)
 ヤマシャクヤクは関東・中部以西の本州、四国、九州に分布する多年草。ブナ林域などの明るい落葉広葉樹林の斜面下部や谷などに生育する。根茎から高さ30cmほどの茎を出し、数枚の茎葉を付ける。葉は2回羽状の複葉であり、両面とも無毛で柔らかい。5月に白色の花を付ける。
 植物好きの同僚からヤマシャクヤクを見に行ってきたと告げられ、天候が良くないのを承知で見に行ってきた。なかなかお目にかかれず、帰る直前にスギの植林地林床に1本開花しているのを見つけた。周辺には小さいものがあるものの、開花していたものは1本しかない。天候が悪いためか、まだ若いためか開ききっていない。
 ヤマシャクヤクも減った植物の1つであると言われる。花が美しいので山草愛好家などによる採集も大きな原因の一つと思うが、ブナ林域の谷まで進行してしまった植林による減少が最も大きいのではないかと思う。せめて間伐してあれば、ヤマシャクヤクが生育できる明るさになるのだが・・・・。
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