ヤマシャクヤク Paenia japonica (ボタン科 ボタン属)
 ヤマシャクヤクの花は白色で、1個だけつく。初夏の訪れとともに開花し始め、温帯下部では5月の上旬頃に、より冷涼な地域では6月中旬でも花を見ることが出来る。花は上向きに開き、香りがある。花弁は5〜7個、雄蕊は多数あるが、雌蘂は2〜4個で、ふつうは3個のものが多い。雄蕊には沢山の花粉があり、花のにおいの誘われているのか、はたまた大量にある花粉を食べに来ているのか、アブ・ハエ類やハネカクシ類、カミキリムシ類など、大小様々な昆虫が大勢集まってきていた(花の中にいるフタスジカタビロハナカミキリを見つけたのだが、撮影に失敗した、残念)。果実は袋果で、秋に熟し、中には黒色の成熟した種子と、赤色の不稔の種子をつける。
ヤマシャクヤクヤマシャクヤクの花
左:つぼみの中には昆虫がいっぱい 中:花の内部 右:若い果実(袋果)

(文章・画像:森定 伸)
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