セイヨウバクチノキ Prunus laurocerasus (バラ科 サクラ属))
 セイヨウバクチノキは常緑樹であり、バラ科はヨーロッパ南東部・アジア西部原産の常緑小高木。庭園樹や生け垣として植栽される。葉は皮革質でやや厚く、長さ8〜15cm。中心部よりも先端側でもっとも幅が広い。質感と大きさはサンゴジュに似ているが、色は明るい。オオカナメモチにも似ているが、より柔らかい。
 葉を見ていると、バラ科・サクラ属とは思えないが、サクラ属にもリンボクやバクチノキなどの常緑樹があるので、落葉樹ばかりではないが、思いつきにくい。鋸歯の先端は黒い腺体となって終わる点はサクラ属に共通性を感じさせる。

 葉に釘などで字を書くと、やがて書いた部分が黒くなり、字が浮き上がってくる。もちろん、きれいな死環ができる。このような性質は、タラヨウで有名であるが、セイヨウバクチノキでは、裏に書いたのに、表まで黒くなってしまう。表の字は逆文字なので、おもしろい。タラヨウのように、何年も字が保存できるかは、今からの経過観察である。
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