トキワサンザシ Pyracantha coccinea (バラ科 トキワサンザシ属
 トキワサンザシは東ヨーロッパから西アジアにかけて分布する常緑低木。1629年にヨーロッパに紹介され、日本には明治中頃に渡来した。高さ数m(〜7m)になり、枝はタチバナモドキに比べて密にでないので、生垣に用いられることは少ないとのこと。主軸からでる枝の先端は、やや刺状になるが痛いほどにはならない。若枝には毛がある。葉は長さ3〜4.5cm、幅0.8〜2.5cmで、狭倒卵形の葉が多いが、時として楕円形の大きな葉が出る。成葉は両面無毛であるが、若葉では裏面に毛があり、時として中脈腋に毛が残る。葉の縁には低い鋸歯がある。花は6月頃に開花し、白色で直径1cm程。果実はたくさんつき、鮮やかな紅色に熟して美しい。庭木として植栽されるほか、植え込みなどに自然生えして野化している。

 果実が鮮紅色に熟す点は、同属のタチバナモドキとは異なってわかりやすいが(黄色く熟すトキワサンザシもある)、ヒマラヤトキワサンザシとは区別しにくい。ヒマラヤサンザシはより紅色が濃く、ほとんど橙色を帯びていない濃紅色である点や、果実と果実が離れずに密集している点で区別できるが難しい。


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