サンショウ Zanthoxylum piperitum (ミカン科 サンショウ属
 サンショウは本州から九州、朝鮮半島に分布する落葉低木。イヌザンショウと同様に伐採跡などに生育する低木であるが、イヌザンショウよりも大きくなる。若葉を香味料に利用するので、しばしば植栽される。棘は対生であり、イヌザンショウとの良い区別点である。
 サンショウの葉をお吸い物などに入れるときには軽く叩いたりする。これは葉肉の中にある油点を破壊して香りを出させるためである。このような葉肉中の油点はミカン科に共通なものであり、種類によって特有の香り・臭いがある。
 しばしば棘のないものがあり、これをアサクラザンショウという。栽培されるものは、棘のないもが好まれる。大きくなった幹は「すりこぎ」にも利用される。
 サンショウを植えていると、アゲハの幼虫に食べ尽くされ、丸裸になってしまうことがある。我が家のサンショウも幾度か食べ尽くされ、今年はついに枯れてしまった。葉を食べ尽くされてしまったサンショウもかわいそうではあるが、葉を食べ尽くしてしまったアゲハの幼虫も悲惨である。
 アゲハ類にはミカン科の植物を食草とするものが多い。一方、ミカン科の樹木は、全般的に攪乱地に侵入・生育するタイプが多い。人間が森林を伐採する以前、ミカン科の植物はどの程度生育していたのであろうか、またアゲハはどうであったのか、興味のあるところである。
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