ヒサカキ Eurya japonica Thunberg (ツバキ科 ヒサカキ属) |
ヒサカキは雌雄異株である。3月から4月にかけ、目立たない花を咲かせるが、花には独特の香(臭気?)があるので早春の山を歩くと開花がすぐにわかる。春の訪れを感じさせる香りである。日当たりの良い場所に生育するヒサカキの枝にはびっしりと下向きに花が付く。花弁は5枚であり、直径2.5〜5mm程度。淡黄色であり、花弁の先端がわずかに紫色を帯びる。雌花には中心に1つのめしべがあり、先端は3つに別れ、時として退化したおしべがあることもある。下の画像では、めしべの基部から蜜が分泌されているのがわかる。雄花には12〜15のおしべがあり、中心に退化しためしべがある。 果実は直径4mm程度の球形であり、10月頃には黒く熟すが真冬まで残っていることが多い。多くの果実が秋に稔り、小鳥に食べられるが、ヒサカキの果実はそれらが少なくなった真冬に食べられ、種子が散布されるのだと思う。 |