チャドクガ Euproctis pseudoconspersa
 ここ数年、サザンカの葉を食べ尽くす毛虫が目に付く。どんなガの毛虫だろうと思っていたら、新聞に爆発的な猛威をふるいつつある「チャドクガ」の記事が載り、チャドクガであることを知った。茶色の毒蛾という意味かと思っていたら、茶毒蛾であり、色ではなくお茶の木につく毒蛾という意味らしい。ツバキ科に発生するのであろう。
 チャドクガは7月頃と9月頃に発生する。日当たりの良い場所のサザンカよりも日当たりの悪い場所に植栽されたものの方が被害にあいやすいようである。柔らかい葉の方が食べやすいからではないかと思う。サザンカは常緑樹であり、数年は葉を使うつもりである。ていねいに作り上げた葉を食い尽くされてしまうと、サザンカの被害は大変大きい。21号館の北側に植えられていたサザンカは、4年の間に2度葉を食い尽くされてしまい、ついに枯れてしまった。サザンカは、葉を食い尽くされてしまっても簡単には葉を再生できず、来春まで新葉を出さない。花芽がついていると、秋から冬にかけて花を咲かせてしまう。葉がなくなっても計画通りのやり方しかできない融通性のなさが被害の大きさとなっている。条件の良くない場所にも耐える品種が開発されたのか、近年サザンカが植栽されることが多くなり、チャドクガにとっては餌が増えてしまっている。今後ともチャドクガの増殖は続く可能性が高い。


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