ヤブガラシ Cayratia japonica (ブドウ科 ヤブガラシ属) |
ヤブガラシの花は目立たないが、開花すると朱色を帯び、花群の中でアクセントになっている。花びらは4枚が普通であるが、5枚のものが混ざる。花弁は僧帽形であり、早期に脱落する。おしべも4本。花は蜜をよく分泌するので、昆虫の来訪も多い。蜜は花盤と呼ばれるめしべの基部から分泌される。蜜を分泌している部分がほとんど裸出している状態であり、長い吻で奥底にある蜜を吸う蝶の仲間よりも、ハエなどのような短い吻でなめるように蜜を吸う昆虫をターゲットにしているのであろう。花盤は朱色からやがて赤色を帯びる。雄しべが脱落しても蜜はたっぷり分泌されており、この時期には雌しべが成熟し、他の花の花粉の到来を待っているのではないかと思う。 |