ケテイカカズラ Trachelospermum jasminoides var. pubescens (キョウチクトウ科 テイカカズラ属) 
 ケテイカカズラは近畿地方以西の本州・四国・九州・琉球、朝鮮・中国に分布する常緑のツル植物。常緑樹林の林床や林縁などに普通に見られる。林床に生育する場合には地面を這い、葉は小さく文様があることが多いが、付着根を形成して樹木に登ったり、石崖などに生育する場合は葉は長さ4〜8cmほどになり、表面の文様はなくなる。葉の表面には毛がないが、裏面・花柄・若い茎などには毛がある。5月から6月にかけ、直径2cmほどの白い花を咲かせる。顎片は5〜6mmでやや目立ち、淡緑色。花筒は基部が細く、膨らんだ上部とほぼ同じ長さ。毛が多いことと、花筒の細い部分と太い部分がほぼ同じ永さである点は、重要な区別点。
 類似した植物であるテイカカズラと混生することもあり、生態的な違いは今後の課題であるが、分布域からみればテイカカズラにくらべて南方系であり、温暖低地に多いのではないかと思う。岡山市では、より自然性の高い場所にテイカカズラが、やや荒れた印象のある場所にケテイカカズラが生育する印象がある。花筒の細い部分と太い部分がほぼ同長である点、葉の裏面に毛が多い点などが区別点である。


種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる