キョウチクトウ Nerium indicum (キョウチクトウ科 キョウチクトウ属) |
キョウチクトウは中国原産の常緑低木であり、中国名の夾竹桃を音読みにしたものが和名となっている。竹の字が入っているが、葉は厚ぼったいものの、ササの葉のイメージがなくもない。それとも幹がほとんど枝分かれせず、根元から株立ちして立ち上がる姿を竹に例えたのかもしれないとも思う。 花は6月から残暑の頃まで長い期間咲き続ける。性質は強健であり、乾燥にもよく耐えるので、街路の路側帯や公園木などに植栽されている。根元から株立ちになって倒れかかるので比較的広い植栽枠が必要である点は難点である。挿し木で容易に繁殖できる。 キョウチクトウは有毒
近年オートキャンプが盛んになり、車で乗り付けてバーベキューを楽しんでいる様子は、山では「おにぎり」か「日の丸弁当」で育った私にとっては、羨ましくもあるし、場違いのようにも思えたりする。オートキャンプの料理はワイルド指向である。肉の塊に串をさしてじっくりと焼く料理(といえるか?)は一度はやってみたいものである。あるオートキャンプ場で実際に起こった事故であるが、バーベキューの串にオートキャンプ場に植栽されていた手頃なキョウチクトウの枝を切って使ってしまったのである。強心成分は特に樹皮に多く含まれており、これを含んだ肉を食べてしまったことにより、障害が発生してしまった。自然志向は好ましいことであるが、自然を知らずに利用すると、時としてこのような事故を引き起こしてしまう。自然が反逆する事があることも知らなければならない。オートキャンプ場では、有毒植物を植栽しないよう留意が必要である。キョウチクトウは利尿作用がある成分と強心作用を含む物質を含んでおり、民間薬としても使われる。強心剤としては働きが強いらしく、素人療法は禁物であるという。 |