ニワトコ Sambucus racemosa ssp. sieboldiana 
 ニワトコの茎の中心部には太い髄がある。ニワトコの茎を節と節の間で切り取り、棒で突くと中の髄が出てくる。これを乾かしたものがニワトコの髄(ピス)と呼ばれるもので、軽くて柔らかい。この髄に植物の葉などを挟んでカミソリで切り取り、顕微鏡で観察するプレパラートを作成するのに利用したりした。薄く染色して色を付け、動物を作ったりして遊んだりもした。このように中心部に太くて軽い髄があるので、ニワトコの茎は軽くてその割には強い。茎へのエネルギー投資の節約であり、一気に太い茎を作ることには適した構造であるが、生長するにつれて次第にそのメリットは薄れてくる。ニワトコの幹の作り方は短期決戦型の戦略に適している。
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