スイカズラ Lonicera japonica Thunb. (スイカズラ科 スイカズラ属) |
スイカズラは常緑の木本性ツル植物で、道端や林縁など、やや湿り気のある場所に生育する。木化して太くなるが、太い樹木には巻き付くことはなく、森林では太くなったものを見たことがない。北海道南部から中国、台湾にも分布し、アメリカやヨーロッパにも帰化している。 スイカズラは春に特徴有る花を咲かせる。花の色は最初は白く、やがて黄色になるので、金銀花という呼び名もある。花の形も独特であり、5枚の花びらの内4枚は合生して上側に反り返り、1枚は下側に曲がり込んでいる。見方によっては手のひらのようであり、親指以外の4本をひっつけて上に反らし、親指を下に広げたような形となっている。和名は蜜があるので、「吸い葛」である。 葉形の変異も大きな植物で、卒論生を悩ませる植物である。右側のようなタイプのものがスタンダードではあるが、春には羽状に深裂する葉も形成する。常緑であり、冬でも堪え忍んで葉を付けているという意味で「忍冬」という名もある。 帰化したアメリカやヨーロッパでは畑や森林で繁茂し、有害植物になっているという。日本においてはおとなしいツル植物であるが、これらの国々ではツル植物が全般的に少なく、競争相手の少ない新天地で自由・気ままに生育しているのであろう。 |