シャシャンボ Vaccinium bracteatum (ツツジ科 スノキ属) |
シャシャンボの葉は長さ3〜8cmで革質。葉の上部に不明瞭な鋸歯がある。葉の先端は鋭く尖り、表面は光沢があるが、裏面はくすんだ緑色。表面主脈の下半分には微毛が残るが、ルーペでみてもわかりにくい。裏面の主脈脇にも微毛が残りやすい。裏面主脈上には数カ所の微少な突出部があり、先端は棘状となっている。肉眼ではわかりにくいが、やがて先端が黒変するので、黒い点として認識ができる。葉の裏面主脈上を先端から下に向かってなでると棘のところで引っかかる。このような主脈上の突出部は、本種のよい区別点である。 シャシャンボの新芽は赤くてきれいである。ワクラハという別名もあり、それは赤い新芽を病気としてとらえた病葉のいみであるという。 シャシャンボは常緑であり、しっかりとした堅い葉を持っている。ツツジ科の中にはシャクナゲなど常緑で堅い葉を持つ種は少なくないが、スノキ属ではナツハゼやブルーベリーなどの落葉樹の印象が強く、シャシャンボの葉を見て、すぐにツツジ科やスノキ属を思い浮かべることは少ないであろう。学生さんにとっては、全く仲間の異なっているヒサカキと混同される場合が多く、最初は区別しにくいようである。ヒサカキの葉の先端は鈍頭か凹端となるが、シャシャンボの葉の先端は尖っている。科が異なった類縁関係の遠い種であるが、葉の質感や形がよく似ている。 |