シャシャンボ Vaccinium bracteatum (ツツジ科 スノキ属) |
シャシャンボの花をお恥ずかしい限りであるが、見た記憶がなかった。2年ほど前から注意していたのだが、なかなか画像が撮れない。たくさんシャシャンボは生えているのに、お目にかかれなかったわけである。じつは、果実も印象になかったのであるが、あるテレビ番組で美味しいとの話があり、その気で探してはじめて画像に納めたのも昨年のこと。生育している個体数の割には開花・結実しているものが少ない。森林の中に生育しているものでは、ほとんど開花・結実しないのではないかと思う。公園の中に残されているものや林縁で十分に光を浴び、ほとんど剪定されない状況でなければ、花を咲かせないのではないかと思う。 7月1日、今年も花を見ることができなかったとあきらめかけていたとき、一週間に一度は観察している個体が花を咲かせているのに気づいた。花を付けている枝は細くて長さ10cm前後。前年に伸びた枝と思われる。葉も普通の葉に比べて小さく、その葉腋から長さ5cmほどの花序が出ている。葉に隠れて花序は見つけにくい。花は小さな壺形で、長さ5mmほど。先端は5つに分かれ、反り返っている。表面には白色の微毛が密生している。 夏に花を咲かせる樹木は少ない。シャシャンボの本格的な展葉は初夏であり、その頃に花を咲かせているわけで、シャシャンボにとっての春ということなのであろうか。ちなみに、盛んに葉を出して生長している個体では、花を見ることができない。 |
|