コウボウムギ Carex kobomugi Ohwi (カヤツリグサ科 スゲ属
 確かに花穂の形は麦に似ており、ふさわしい名前である。コウボウは弘法大師に違いないが、それが地下部に筆状のものがあるからであるとは知らなかった。掘ってみるべし、ということになるが、かわいそうで気後れしてしまう。心置きなく掘れるほど、海岸植生が豊かになってほしいとところだが、地球温暖化による海面上昇で状況は厳しくなるばかり。

 コウボウムギに先に名が付き、これよりも小さいという名前がコウボウシバに違いない。どちらも砂浜に生育するという生態的共通点もよく似た名前をつけられたことと関係しているように思う。葉は硬く、縁のギザギザも厳しい。コウボウシバよりも厳しい風に耐えられるということであろうし、長期間安定的に砂地を占有する資格がある。
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