チガヤ Imperata cylindrica var. koenigii  (イネ科 チガヤ属)



 チガヤの花穂は花が終わるとやがて種子に付いた毛が生長し、綿毛となる。散布の最中に土手の上を車で走ると、ふわふわとチガヤの種子が飛んでくる。
 チガヤはススキと並んで、刈取り草原の代表的な種である。チガヤの葉を形成する芽は地表面直下にあり、地上部を刈り取られると地下部に蓄えた栄養分を使って速やかに葉を回復する。ちょうど鋼製の巻き込み式のメジャーのように、地上部の葉が刈り取られると、新たに地下部から葉が押し出されてくる。刈取り後、2週間もすると刈り取られたことがわからなくなるほどの急速な回復である。
 ススキは茎があり、刈取りにに対してはチガヤよりダメージが大きい。しかしながら草丈が高くなることができる利点がある。このため、年1回程度の刈取りでは背丈が高くなるススキが優勢となり、年数回の刈取りがある場所ではより回復力の高いチガヤが優勢となる。
種子を稔らせたチガヤチガヤの綿毛(種子が見える)
刈り取られてもすぐに葉をのばすチガヤ刈り取られてもすぐに葉をのばすチガヤ

5月のチガヤ 初夏のチガヤ 冬のチガヤ

種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる