サギソウ Habenaria radiata  (Thunb.) Spreng. (ラン科 ミズトンボ属
 岡山県自然保護センターでは、毎年たくさんのサギソウが咲く。例年ちょうどお盆の頃が見頃で、一目 数千の開花が見られる。自然保護センターの湿生植物園は、まったく新たに作ったもので、ゴルフ場などで失われる湿原の植物を移植して作ったものである。
 移植に際しては、植生を土壌ごと持ってきたので、その中にもサギソウの球根が入っていたものと思われるが、それとは別に、あらかじめサギソウを移植地から採取しておき、1年間培養して増殖・成長させたものを移植した。その数は土壌中に含まれていたものも含めると、数万球であったはずである。移植当初はたくさんの花が咲き、1つの茎に数個花が咲く個体も多かった。まるでサギソウ畑と言っても良いような状態で、来訪者からは賞賛されたものの、自然らしさはなかった。その後次第に落ち着き、自然らしい花を咲かせる状況になった。また、植栽5年後頃から、種子によって繁殖したと思われる新しい個体の増加も目立った。現在は、他の植物の草丈が高くなり、これほどの数多い開花は見られない。

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