ホンゴウソウ Andruris japonica (Makino) Giesen (ホンゴウソウ科 ホンゴウソウ属) |
ホンゴウソウは多年草の腐生植物で、暗い林床下の落ち葉の間にはえる。地上茎の長さは3〜5pで、太さは0.5o以下である。葉は鱗片状で長さ1.5oほどで葉緑素は無く、退化している。花は7〜10月に開花し、茎の先端に長さ数cmの花序を形成する。茎の先端に雄花をつけ、その下には雌花があり、若い花は多数の柱頭をのばしている。植松栄次朗らによって三重県北部の楠町本郷の樹林内で発見されたので、この名がつけられた。 画像は、岡山理科大学の自然植物園内に生育していた個体を撮影したものである。生育場所は、高木層にアラカシやナナミノキが優占し、低木層にはヒサカキが生育する湿った北斜面であった。日本には本種のほかに、ウエマツソウ、スズフリホンゴウソウ、タカクマソウの3種が分布している。 |
文章・画像:山尾 僚 |