ホンゴウソウ  Andruris japonica (Makino) Giesen (ホンゴウソウ科 ホンゴウソウ属
 ホンゴウソウの生育地例を示してみよう。同じ場所のズームアップなので、そのつもりで見ていただきたい。コナラの根元である。コケの生育していない部分のちょうど落ち葉がない場所に4本のホンゴウソウが立っている。落葉の大きさと比較していただきたい。
 ホンゴウソウとしては、落葉が厚く堆積していては、頭を出しにくいであろう。腐生植物としては落葉は必要であるものの、花を咲かせるためには落葉がない環境が必要であって、ジレンマである。コケが生育する場所は落葉がたまらない場所なのであるが、コケが生育している場所ではホンゴウソウの生育は確認できなかった。コケの生育場所とはまた違うのである。
 岡山県におけるホンゴウソウの報告は、1999、2004年 そして2007年である。この発見年代をみると、次第に増加しているのではないか、今後は発見例がさらに増えるのでは、と考えてもよさそうである。今回の発見場所も昔はアカマツ林であり、松枯れ後にコナラなどの広葉樹が回復した林である。広葉樹林の発達に伴っての回復である可能性を考えることができよう。
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