ガマ Typha latifolia (ガマ科 ガマ属) |
地中に柔らかくて通気組織の発達した太い地下茎を発達させ、群落を形成する。初夏に花茎を形成し、上部に雄花群を、それに接して雌花群を付ける。雄花からは大量の花粉が形成され、飛散する。雌花は成熟するとより太く、褐色になるので、まるで祭りで売っているフランクフルトソーセージのようになる。 ガマの生産する花粉の量はすさまじい。これを集めたものを蒲黄(ほおう)と呼び、漢方では利尿剤や止血剤として利用するという。葉は柔組織が発達して柔らかくしなやかで、駕籠やむしろなどに細工・加工される。ガマの加工品はしっとりと柔らかくて手触りがよい。 秋になると穂は綿状になって崩れ、風に乗って飛散する。昔はこの綿毛を集めて布団の綿に使用したり、火をおこす際の火口に利用したこともあるそうだ。穂をほぐしてみると劇的に膨らみ、布団の綿として使えそうなホカホカ状態になる。稲葉の白兎で有名な蒲の穂綿である。 英語名はbroadleaf cattail, bulrush, cat-o'-nine-tails, great reedmace, cooper's reedなど。cat・tailは猫の尻尾であり、そういわれれば手触りも含めて、らしい。rushはイグサのことだそうで、bul・rushはパピルスとかフトイの呼び名とのこと。編んでマットを作る植物であり、bullであれば、雄牛なので牛藺草の意味になると思ったりするがどうだろうか。reedはヨシなどの仲間を指す。 |