ヨーロッパカラマツ Larix decidua (マツ科 カラマツ属
 ヨーロッパカラマツの生育地は図鑑などでは、乾燥した場所であり、無機土壌の堆積する場所などの記述がある。とても土壌があるとは思えないような厳しい急傾斜地や比較的新しい崩積地などに生育しているようで、全体的にはかなり厳しい立地であるように思われる。全体的にはパイオニア的な性格が強いようで、乾燥にも耐性が高いのであろう。日本のカラマツも類似した性格を持っているが、カラマツは湿原にも生育することがあり、この点は異なる。
 ヨーロッパカラマツの森林は、植林起源のものと荒地から自然再生したものがあると思われる。植林起源のものでも林内は明るく、多くの草本が生育している。マツ類やヨーロッパトウヒ、またヨーロッパカラマツも生育しており、放置すれば数種類の針葉樹からなる森林へと遷移し、やがてはヨーロッパトウヒが優占する状態になるのではなかろうか。しかしながら、斜面が頻繁に崩壊する立地では、持続的にヨーロッパカラマツの疎林が継続することになる。
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