コシダ Dicranopteris linearis (ウラジロ科 コシダ属) |
コシダは福島県以南の本州・四国・九州・琉球、世界の亜熱帯に広く分布する常緑のシダ。日本海側よりも太平洋岸に多い。地表面直下に横走する地下茎を発達させ、所々から葉を伸ばす。密生した群落では葉柄が2mにもなり、葉柄でかごを編んだりした。毎年、新しく地下茎から葉柄を伸ばし、葉を展開する。葉柄の先端からさらに2回枝分かれし、先に羽状に深裂した葉身を付ける。葉の裏面は灰白色で、6-15の胞子嚢が集まった胞子嚢群を付ける。ウラジロに似ており、裏も白いが、より小さいと言う意味で、小羊歯という。 アカマツ林の林縁やマツ枯れで疎開した森林などで群生する。乾燥した立地でも旺盛に繁茂し、密な群落を形成する。コシダが群生すると新たな植物の侵入が困難となり、長期間コシダの群生状態が継続する。時として、50cm以上コシダの枯れ葉が堆積し、厚い腐植層が形成される。山林火災の発生・延焼の原因となりやすい。 |