News 13 (2001/10/30)
「長島の自然」が発行されました!
日本生態学会中国四国地区会では、上関原発に関してワーキンググループを結成し、独自に調査を実施して参りました。我々の調査は経費、日程、労力などの制約もあって十分なものとは言えません。しかしながらこれらの調査によって得られた結果は、長島の自然がすばらしいものであることを示しています。調査は続行されており、また得られた標本の同定には予想を遙かに上回る労力と時間・知識と経験を必要としており、今後精検によって長島の自然が解明されていくものと思われます。本刊行物は、これらの成果を現段階でとりまとめたものです。
64ページではありますが、前ページアート紙・カラーであり、充実した画像・内容であると思います。日本生態学会中国四国地区会の機関誌「地区会報」(NO.59;2001/10/30)として発行されたものですが、有料頒布(¥1300)も行っています。是非ともご覧ください。
News 12 (2001/05/13)
日本生態学会中国四国地区大会・総会において決議文が可決された
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13日の講演終了後に開催された総会では、中国電力株式会社が建設を計画している上関原子力発電所に関する決議文が可決されました。
多数の生態学会会員が審議に参加し、熱心な議論が行われました。
フローラリストやファウナリストが掲載されていない不十分な中間報告の提出によって、建設に向けての手続きが進められていく事態は、正常なものとは思われません。
適切なレベルの調査が実施され、それに基づいての評価が為されるべきであると考えられます。
決議文の文面はここ |
News 11 (2001/03/29)
日本生態学会総会において上関原発に関する要望書が採択
生態学会総会では、4件の要望書が採択されました。そのうち、中国四国地区から提出されていた「上関原子力発電所に係わる環境影響評価についての要望書」も審議され、採択されました。
News 10 (2001/03/27)
日本生態学会において自由集会開催
日本生態学会では、中国電力の追加調査の結果を踏まえ、自由集会が開催されました。多数の自由集会が平行して開催されているにもかかわらず、多数の参加者があり、盛会でした。
【詳細な報告はここ】
News 9(2000/12/07)
中電中間報告は技術審査会で検討へ
中国電力が先般提出した「環境影響評価中間報告」に関しては、『今までは県庁内の関係部署のみで検討してきたが、これからは環境影響評価技術審査会(技術審査会)に諮る。』との知事見解が表明された。(中国新聞山口版)
中間報告に関しては、リストが掲載されていない点など、不備な面が目立つことに関しては生態学会の地区会としても大きな危惧を抱いている。中間報告であるから、いい加減なものであってもよいとの発言が一部の官庁関係者にあったようであるが、世間の一般概念からはおよそかけ離れた認識である。このような中、山口県は、当初は関係部署のみで検討することにし、技術審査会に諮る予定は無かったのであるが、審査会においてちゃんと内容を検討することにした。当然といえば当然なのであるが、今までの経緯からは一段の向上であると評価したい。
News 8(2000/11/20)
電調審への上程見送り
通産省は10月31に上関町民体育館で第一次公開ヒヤリングを開催した。ヒヤリングは約700人の反対派抗議活動により3.5時間開始が遅れた。このような中、12月末に予定されていた電調審への上程は、山口県知事同意が得られないことなどから、見送られた。
電調審への上程には用地買収や地元同意などが条件となるが、上関原発では計画地中心部の神社地が未買収となっており、関係漁協の1つである祝島漁協との漁業補償が妥結していない状況、さらには追加調査の問題点などがあり、電調審への上程が見送られたものと考えられる。
電調審は組織再編により、来年から総合資源エネルギー調査会に機能が移されることもあって、当面次の予定は立たない状況となった。中国電力は、この組織再編にともなう電調審消滅直前に上程したかったわけで、その予定に向けての追加調査の中間報告早期提出であったものと考えられる。
News 7(2000/11/9)
日本生態学会中国四国地区会が環境庁・通産省に申し入れ
11月7日に通産省と環境庁に環境影響評価調書に関する地区会の意見書を手渡ししました。その際、10月8日の現地調査に視察された国会議員の方々も同席して下さり、また環境庁長官も直接面談して下さいました。今後は、自然保護専門委員会としての見解も提出される予定となっています。
以下に、申し入れ書の概要を記しておきます。
平成12年11月6日
「上関原子力発電所(1, 2号機)に係る環境影響評価書
中間報告書」についての見解
日本生態学会中国四国地区会
要 旨
平成12年10月18日、中国電力株式会社が通商産業省に提出した「上関原子力発電所(1, 2号機)に係る環境影響調査中間報告」について、当地区会は以下の問題点を指摘するとともに、このような環境影響評価に基づく開発が行われるならば、唯一残されたと言って良い貴重な生物と生態系に取り返しのつかない影響を及ぼす可能性を強く危惧するものである。
- この「中間報告書」は影響評価の基礎となる、陸産貝類を除く動植物のリストが脱落しているという極めて初歩的な体裁すら整えていないばかりか、中間報告という状況でありなが ら、あらゆる項目において、不十分な検討のまま「温排水や海域埋め立てが各種生物に及ぼす影響が小さい」という趣旨の結論が下されているのは、あまりにも性急である。
- 生物が生息している環境としての生態系への影響評価は、「アセス法」や「影響評価準備書」への山口県知事意見の中でも求められているにもかかわらず、欠落している。
- 貴重な生物種の生息場所及び近傍の環境の改変がそれらの絶滅リスクをどれほど変化させ るかなどの定量的な予測がないため、中間報告書の随所に見られる「影響は少ないものと考 えている」などの記述は、既に「科学的でない」と知事意見等できびしく指摘した点である。
- ハヤブサの繁殖失敗の原因が全く調査されていないこと、ハヤブサにとって頻繁に利用している発電所予定地の重要性や、この海域が単なるスナメリの回遊域ではなく、瀬戸内海に残されている唯一のスナメリの繁殖産地である可能性を見落としている。そのため、開発のこれら生物への影響が余りにも過小に評価されている。「カクメイ科」については,種のレベルでの調査や影響評価が出来ていないので、カクメイ科の希少貝種に及ぼす影響評価は全 く行われていないに等しい。底生生物についても既知の希少種の記載すらない。小島及びその対岸の断崖を生育場としているビャクシンの「移植」など極めて非現実的である。陸産貝類の種の同定には明きらかなミスがある。
- 温排水の影響については記述しているが、スナメリの餌の一部となるアジ類、コノシロ類が海水温が1℃上がった場合には、どのような挙動を示し、それがスナメリの生活にどのような影響をおよぼすのかという予測と影響評価がされているとは言い難い。冷却水のとり 込み(冷取水)についてはまったく触れていない。すなわち、今回の発電所の冷却水取込み量は1ヶ月間で、平均水深50mの海域の1km(沖合) x 10km(海岸線)の全ての海水を取水するほど厖大であり、そこに生息している浮遊性の卵・幼生・稚仔を壊滅させ、それらの親であるベントスや魚にも致命的な影響を及ぼす危険性に触れていない。
以上指摘したように、このたびの中国電力の中間報告書には山口県知事意見及びその後の環境庁長官意見、そして通産大臣の勧告で指摘されたの点において、依然として重大な未解決点があることから、日本生態学会中国四国地区会は、上記の問題点を考慮して環境影響評価を再度行うことを求めるものである。
News 6(2000/10/27)
日本生態学会地区会の会報記事
周防灘・上関原子力発電所建設予定地周辺であらたに発見された希少生物について
日本生態学会地区会会報の上関原子力発電所に関する記事を引用掲載いたします。新たに発見された希少生物に関する現状と知見が掲載されていますので、ご一読ください。
現在、アフターケア委員会など学識経験者を中心に中国電力から提出された追加調査報告書の分析を行っています。調査報告書は報告書部分37ページ、資料集が228ページであり、合本されたものとなっています。内容に関する意見に関しては、近々公表することになると思いますが、調査成果の基礎となる動物相リストや植物相リストが掲載されていないことや、すでに棲息が指摘されている貴重種の調査が実施されていない点など、問題点の多い報告書となっています。
本調書は中間報告であり、これをもって建設の可否が判断されるとは思われませんが、本報告においては審査に耐えられる調書が作成されることを望みます。なお、本追加調査を担当したコンサルタントは、下記のようです。
調査項目 | 会社名 |
ハヤブサ |
中電技術コンサルタント株式会社
アジア航測株式会社 |
スナメリ | 総合科学株式会社 |
カクメイ科等の貝類 | 株式会社東京久栄 |
動植物(海域調査)
・潮間帯生物
・底生生物(メガロベントス)
・海草藻類 |
株式会社東京久栄
中電環境テクノス株式会社 |
動植物(海域調査)
・底生生物(マクロベントス) |
総合科学株式会社
中電環境テクノス株式会社 |
動植物(陸域調査) |
アジア航測株式会社
中電技術コンサルタント株式会社 |
中電による概要がHPに掲載されましたが、アクロバットリーダーによるPDF形式のファイルであり、読み込みに随分と時間が掛かります。内容的には、ファイルの重たさに比べて随分と軽いもので、ダウンロードを推奨できるものではありません。愛知万博と比較しますと、博覧会協会は随分と高品質なHPで情報公開したものだと思います。自然保護に関し、様々な問題があっての万博会場変更でしたが、情報公開に関してはアセスメント調書の無料貸し出しを行うなど、今後のアセスの規範となるものでした。
皆様、博覧会協会のアセスメント公開状況と中国電力の公開状況をぜひ比較してみてください。
News 5(2000/10/19) 中国電力の追加調査中間報告書が公表されました。(もどる/ページのTopへ/HPへ)
中国電力の提出した中間報告書は、300ページに及ぶものであり、カラー写真やグラフがふんだんに使われた美しいものです。12000円/部で販売されているそうです。印刷部数から言えば、12000円が原価とは思えませんが、販売であるわけですね・・・・。
愛知万博では、環境影響評価書を貸し出しました。郵送料も万博協会持ちで送っていただき、概要書に関しては万博協会のHPに掲載されるなど、情報公開に関しては、先進的な態度であったと評価しています。中国電力もすべて無料でとは言いませんが、少なくとも関係の団体には無料で配布するなどの配慮があってよかったのではないかと思う次第です。さて、調書の内容はどうでしょうか。
なお、中国電力のHPによりますと、概要書の内容に関してはHPを準備中との事ですので、近々アップされるでしょう。
News 4(2000/10/16)(もどる/ページのTopへ/HPへ)
中国電力をはじめとする建設推進の動きは急を告げており、この10月20日までに、追加アセス調査の通産省へ報告提出、11月上旬通産技術顧問会議での了承というスケジュールが明らかとなっております。また、10月31日には、通産省の現地公開ヒアリングも予定され、この建設計画の認可への準備が整いつつあります。
どのような内容の追加アセス調査報告書が提出されるのでしょうか。このたびはレベルの高い調査会社が関与したらしいので、長島の自然を正しく評価できる調書である可能性があります。
News 3(2000/10/8) ワーキンググループの現地調査を超党派国会議員が視察 (もどる/ページのTopへ/HPへ)
10月8日、ワーキンググループによる上関原子力発電所建設予定地における調査が実施された。内容は陸上調査、海浜調査、潜水による海底調査など、多岐にわたるものであった。この調査を超党派の国会議員団5名が視察しました。地域の自然のすばらしさに関する認識は、国会の審議の中で活かされて行くものと思われます。
News 2 (2000/7/29) 周防灘賛シンポ盛会の内に終了 (もどる/ページのTopへ/HPへ)
山口県下松市笠戸島ハイツで開催されたシンポは会場一杯の参加者に溢れ、盛会の内に終了しました。シンポ終了後は懇親会が開催され、これも盛会でした。地区会からは中根会長および波田自然保護専門委員が出席いたしました。5件の報告があり、長島を中心とする周防灘の貴重性・重要性が再確認されました。
翌日に実施される予定であった現地調査は、残念ながら台風の襲来によって中止されました。
【シンポの詳細はここ】
【周防灘宣言はここ】
News 1 (2000/07/04) 周防灘シンポを共催 (もどる/ページのTopへ/HPへ)
各県の幹事および地区役員によるメール審議によりまして、日本生態学会中国四国地区会は周防灘シンポジウムの共催メンバーとなることを決定しました。
「周防灘生態調査員」を委嘱
日本生態学会は第47回大会総会において、「上関原子力発電所建設予定地の自然環境の保全と環境影響調査に関する要望書」を採択いたしました。これは、日本の他の地域では完全に滅びてしまったか,または激減した生物が今だに生き残っていると言われほど、周防灘の生態系の豊饒さや貴重さを保全する必要性を喚起したものです。また、このような自然に十分配慮した開発や開発の影響評価を求めたものです。
しかし、依然としてこの生態系の調査は始まったばかりで、現在その全貌を明らかにするレベルには到底達し得ていません。それ故に、生態学会中国四国地区会として、独自により一層の調査を行う必要があると考え17名の方々に周防灘沿岸地域の生態調査(生物相調査)員を委嘱いたしました。委嘱期間は1年間(2000年6月〜2001年5月)とし、必要によって延長をいたします。
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