イノシシによる被害の復旧作業 2003年2月15日

 リュウキンカの群落がイノシシ(?)によって掘り返されてしまいました。復旧作業は多数のボランティアの参加をいただき、掘り起こされたリュウキンカなどの植栽とともに、水路への土嚢投入などを行いました。
 鯉ヶ窪湿原のリュウキンカが群生している地域がイノシシによって大規模に掘り起こされたという情報が入ったのは、2月の始めだった。聞いた当初は、「大したことはない」、「よくある話」と思っていた。2月の15日に復旧作業をやるということなので、見に行ってみた。

 現場を一目見て驚いた。これほど大規模なイノシシの掘り起こしは見たことがない。一面、泥田のようになっている。広さは二反ほどだという。約2000uほど、40m×50mの面積である。
 掘り返した跡は、まことにきれいに掘り残しがない。まるで田植えの前に水田を耕したかのようである。

 リュウキンカやビッチュウフウロの株は地面に露出した状態でひっくり返ったり、埋もれた状態で残っている。リュウキンカはキンポウゲ科であるので、有毒であろう。これらの植物を食べたのではないと思われる。

 所々にヨシの地下茎の一部が残っている。どれも軟らかい先端部分がないので、これを食べたのではないかと思っている。
 おもしろいことに、イノシシが掘り起こしたのは、リュウキンカが群生している地域とほぼ一致している。しかし、リュウキンカがターゲットであったのではない。リュウキンカが群生するような、立地に生育している何かが目的であったことになる。

 1つの要因は積雪かもしれない。画像の左部分の掘り返されていない部分には積雪があり、掘り返しにくかったのかも知れない。水がよく流れる場所の雪は比較的消えやすいので、そのような場所を掘り返したのかとも思う。

 しかし、積雪がない場所で掘り返していない場所もある。やや地下水位の低い場所であり、ヨシの地下茎が深い場所にあるので、食べにくかったのかも知れない。
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