土嚢による堰堤構築
 鯉ヶ窪湿原では、中央を流れる水路の深掘れが問題となっている。これに対して湿原の中部で土嚢による堰堤構築を試みたところ、ミゾソバやアメリカセンダングサなどの生育を押さえることが出来、リュウキンカの生育・開花状態は以前と同様に美しい開花状況に回復した。
 すでに3カ所で土嚢による堰堤を構築しているが、その内一カ所はイノシシによって部分的に壊れてしまったので、今回の作業で復旧していただいた。湿原の最下流部にも堰堤を構築したかったのであるが、通常は過湿状態で足場が悪いために設置作業が困難であったが、幸か不幸か、02年は渇水であり、水位が低下して足場も良かったので、土嚢を調達していただき、堰堤を構築した。大勢のボランティアの皆さんのおかげで、あっという間に立派な堰堤が出来た。鯉ヶ窪池に接する場所はため池の水位変動の影響を大きく受ける地域であり、湿原面は元々の位置から30〜50cmも低下しており、生育しているハンノキは根上となっている。この堰堤によって湿原からの土砂流出は大幅に低下することになり、健全な状態へと復帰する可能性が高い。
 なお、土嚢製の堰堤は、最終的には植物の枯れ葉などを被せ、目立ちにくい状態にした。春にはほとんど目立たない状況になるはずである。
土嚢による堰堤の構築土嚢による堰堤の構築
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