ケハンノキ Alnus japonica var. koreana Call. (カバノキ科 ハンノキ属
 ケハンノキはハンノキとともに日本全国に生育する落葉高木。ハンノキの若枝はほぼ無毛であるが、ケハンノキ若枝と若葉に褐色の毛を密生する点で区別される。生態的には違いはない様で、湿原や沼沢地に生育する。変種として区別されているが、変異の内に含め、特に区別する必要はないとの意見もある。

 岡山県の国指定天然記念物である鯉ヶ窪湿原では、その一部に比較的広いケハンノキ林が発達している。かれこれ30年ほど見ているはずであるが、次第に倒れて本数が減少している物の、さしたる変化はない。新しい個体が芽生えてくることはなく、現在の環境では若木が侵入できることはなさそうである。林床には様様な花が咲く。春には一面にリュウキンカが黄金色の花を咲かせ、夏にはビッチュウフウロの花が見事である。


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