アベマキ Quercus variabilis Blume  (ブナ科 コナラ属
 アベマキの葉は互生し、長さ12〜17cm。質はやや厚く、クヌギに比べてしっかりしている。側脈は12〜16対で、直線的。葉脈の先端は長さ2〜3mmの芒となる。芒は葉緑体を含まず、日にかざすと半透明。葉の表面は、若葉では毛があるが後に無毛となり、光沢がある。裏面は星状毛が密生しており、灰白色。星状毛なので、ライターなどで熱しても、落葉になっても白さは残る。長さ1.5〜3.5cmの葉柄を持つが、若い個体では短い場合が多い。大きく生長した個体では、葉は葉柄が長いために垂れ下がる傾向があり、風にあおられると裏面の白さが目立つ。風の強い日には白さでアベマキの存在が簡単にわかる。林内に生育する個体や若い個体では葉柄が短く、葉は日光に向かって水平に展開していることが多い。光の方向に対する対応であろう。

アベマキの葉(表面)
アベマキの葉(裏面):白さが目立つ
表面の拡大:側脈の先端は芒となって突出する裏面の拡大:星状毛に覆われている
風にたなびくアベマキの葉
 葉の大きさの割には葉柄が細くて長く、葉は垂れ下がる傾向がある。この性質は横からの光に対して有利であり、林縁に多い傾向がある。また、風が強いときにはたなびいて白い裏面を曝すので、樹木全体が白く見え、生育している場所を確認できることもある。風が強いときには水分が失われて光合成を行うことが困難であり、白い裏面によって光を反射していると考えることができる。
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